マリオネット師
天才スリ師「九頭竜」こと九頭見 灯を主人公にした話。サスペンス風の物語である。
11巻というのは小山田作品では最長であるからかなり人気のあった作品なのだろう。
この話は、幾つかの切れ目があると思うのでそれにそって話を進めていきたい。
まず、最初は諸戸刑事が死ぬまでの話である。
九頭竜の師匠「ヘビの政二郎」が殺された後に、灯を保護して人形劇団「泡雲」に連れていったところからこの話は始まる。この泡雲でいきなり人形をもらい早々に人形操作の腕を身につける灯であった。以後、何故か人形がスリをすることが多くなるのは何故だろう・・・
それはともかく、諸戸が亡くなるまでの灯は基本的に人形劇はしない。劇団を守る役目として諸戸がいるから話として必要ないからといえばそれまでだが、全体的にマリオネット師は「九頭竜」から「九頭見 灯」に帰っていく事を描いた話であろうと思われるのでまだ、打ち解けていない段階であると言える。
次は長い。7巻で泡雲が解散するまでだと思う。この部分はみのりに振り回される話と俊六に関わる話が多いと思う。そもそも、諸戸が死んだ後、手長ウサギとの勝負があるのだが、ここまでを第一期とすると第二期はみのりが登場する話からになっている。
みのりはこの話では陰のない唯一のキャラクタとして描かれる。(一応、第2期の最後に陰を作る事件が起きるが)彼女がこの物語の鍵を握る存在となる。考えてみれば、彼女一人が特殊な存在であるのだから(普通の話なら一番ありふれてるはずだが)当たり前ではある。しかし、みのりが自殺を計るなど後半から考えると到底思いつかないのだが・・・
ここで登場するもう一人が俊六である。彼は小九頭竜みたいな雰囲気を持っているが何か試験的なキャラだったのだろうか。彼については次の第三期のほうが活躍すると思う。
また、第一期から出ていたがここから活躍するキャラとして斗賀刑事である。警察側のキャラクタとして諸戸がいなくなってしまったので必要となったが、彼は諸戸と違い、どこかエリート臭さがあるように思う。ただ、個人的には諸戸刑事より好きなキャラである。
最後の第三期は人形劇団「V」創設から最後までである。キャラが再び変わり、かなり人数が少なくなるも、「風のルウ」こと風無草 留宇が登場。灯を巡る女性の数合わせなのではと勘ぐりたくなってしまう。彼女は以後、「九頭竜」の時の灯を受け持つ感じで活躍する。この第三期では終盤だけあって「九頭竜」というより「九頭見 灯」という感じがしてくる。殺気が薄れているように思う。それを匂わせるように話を持っていっているんだろう。最終的にはスリを止めることを決意するまでに話は進む。
私はこの話、どこがどうとは言えないが好きなのだが、何がいいのだろうか。そりゃまぁ面白くない話についてこうもだらだら書くほど私は酔狂ではないからどこかが面白いんだろうけど別に通しのストーリーが好きだからってわけでもない。そもそもこういった雰囲気の漫画は小山田作品ぐらいしか私は読まないほうで割と明るめの漫画を好んで読むので、好きなタイプだからというのは通用しない。登場人物の動きとかかなぁ・・・・
この作品からファンになったという人は割といるらしいのでその辺の人の意見を聞きたいところですね。
(一体なんなんだろう、これまでの文章って・・・・・)
戻る