剣野玉三郎
自称「プロのインベーダーボーイの第一号」。
そのレバーさばきと連射の速さは当時の必殺技を殆ど持たないあらしなど敵ではなかった。
プロというだけあって当然それで飯を食っているわけで、スペースインベーダーで1勝負千円で勝負をし、玉三郎に勝てば1万円という賭ゲームをしていた。そこに通りがかったあらしが勝負を挑んだわけだが、あらしが3分間一杯プレイして14800点だったのに対し、2分少々で同点になる玉三郎。しかし、そこに玉三郎の妹がやってきて玉三郎に声をかけたために同点になる。そこで、再勝負となるわけである。
ところで、このくだりのところは時代劇なんかでよくあるシーンをそのまま持ってきたような話でひょっとして何かを狙っていたのだろうかという気にさせられる。この玉三郎の妹もかわいいという設定になっているあたりもいかにもと言った感じである。
再試合の前にこの妹(ナナ子。自己紹介するシーンがないのに何故かあらしは名前を覚えていた)がけん玉の秘伝の技「ケン玉登り竜」をあらしに教え、これをマスターできれば玉三郎に勝てると言う。ところで、私にはこれを最初に読んだときから疑問なのだが、何故にケン玉の技をマスターしてゲームが上手くなるのだろう。しかもこの技の応用的な必殺技はこの話には出てこない。この話では必殺技らしきものは登場しないのである。一応、コースターと一体になれば高得点を出せるという設定になっているが・・・
あえていうなら、「ケン玉登り竜」は自分とケン玉が一体にならなければできないという技であり、プレイ中の筐体のジョイスティックを通してコースターと一体になれるように鍛えたと考えるべきなのだろうか・・・・
さて、玉三郎であるが、こちらはプロとしては妹の声でプレイに支障をきたすなど集中力に置いて多少問題点があるように思えなくもない。しかし、話の後半でスクリューコースターに乗りながらプレイを行いかなりの高得点を叩き出している。実力的には多少の不安は残るもののあらしと互角以上のものを持っていたに違いない。惜しい。本当に惜しい人材であったと思う。
作者もそう思っていたかどうかは知らないが、玉三郎は再度登場する。16巻、という末期にである。この時は既に賭ゲームは止めていたものと思われるが、どうやって生きてきたのだろうか。それはともかく、前回登場時はケン玉を持ってるだけで特にケン玉を使ったプレイなどは行っていなかったのだが、今回はケン玉を使って大技を繰り出してくる玉三郎。
その名も「ケン玉必殺胡蝶の舞い」。一種の真空ハリケーン撃ちであろう。ケン玉を使って風を起こして操作をする技である。が、私が思うに真空ハリケーン撃ちよりも体力を消耗しにくいのでは無かろうか。というのは真空ハリケーン撃ちが完全に身体を使って風などを起こすのに対し、胡蝶の舞いはケン玉を使っている分慣性を利用できるのではないかと思うからである。ただし、握力が並大抵ではないだろうが。
ところで、この玉三郎、実は裏社会にかなりの力を持っていたのではないだろうか。少なくとも歌舞伎町界隈で路上での賭ゲームをしている上にいきなり2日後の晩に遊園地で再勝負を決めれるなど並大抵ではない。さらに、再登場時に年齢に比してかなり数多いゲームカセットを持っておりさらに再試合で富士スピードウェイを借り切れるという財力。実は彼は大物かも知れない・・・・・
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ラム&ロム
元アメリカインベーダーチャンピオン。コンピュータの記憶装置であるRAM(RandomAccessMemory)とROM(ReadOnlyMemory)が名前の由来であることは有名である。彼らは2人一組(レバー担当とボタン担当)で巨大インベーダーゲーム(国立競技場を画面に使った。この画面は今でも実現困難ではなかろうか。技術と予算両方で)をプレイすることであらしと一平太コンビに挑戦する。
ラムとロムはプレイ音でディスコミュージックを奏でるという離れ業をしつつ高得点を上げた。実際の所、このような余興をしなかったらもっと得点できるもんなのだろうか。
彼らの場合、このリズムでタイミングを取っていたことも考えられるので(2人で協力してのプレイであることもあり)これが最上の方法であったのかもしれないが疑問が残る。
単に、嫌な音は聞きたくないっていうだけだったのかもしれない。(彼らはロックミュージシャンだった)
さて、これに対しあらし・一平太組は酷いもので0点で敗北。意地で再試合を申し込んだあらしだったが、一平太は降りると言い出す始末。途方に暮れるあらしであったが、ローラースケートをやる少年にはじき飛ばされてローラースケートをはいて1人でやることにする。
結果、ラム・ロムの出した得点を抜くあらしだったが、なぜ、ラム・ロムの2人は再試合をしなかったのだろう。
自分たちがあらしの再プレイを認めたのだから再プレイをしてもよさそうなものだが。しかも、1回目のプレイのとき、なんだか余裕がありそうに見えたのだけども・・・
ところで、彼らはなぜ関西弁で話すのだろう。永遠の謎かも知れない。彼らは何度か再登場しているのだが、いずれもいいところが無く未確認だが台詞は無かったのではないだろうか。しかし、後々までそれなりの力を持っていたところを見ると音感って言うのはゲームをする上で重要なファクターなのかもしれない。
最後にどうでもいいことだが、ロムがラムに紹介されるときのよだれはなんの真似なんだろう・・・
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総統ギャラクシアン
モデルは大平(当時)首相であることは疑う余地もないですね。あらしと一平太を睡眠薬をかがしてさらってきて勝負を挑んだ。
さとるタイプの勝負の仕方である。つまり、総統ギャラクシアンが操作するギャラクシアンをあらしが撃退するという初期にしか存在しないタイプである。
この話では、キーボードを使ってギャラクシアンを操作するのだが、このキーボードが鍵盤であったのはすがやみつる先生のしゃれっ気ではなかっただろうか。
勝負は一平太を人質に取られつつもあらしが奮戦し圧勝する。
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